フランス・キャロル (18世紀)

賛美歌 106番   (荒野の果てに)


Chants de Noël
Les anges dans nos campagnes ≪IRIS≫(GLORIA)


荒野(あれの)の御使い ほめ歌うたう
やさしき歌声 山まで響く
グローリア イン エクセルシス デオ
グローリア イン エクセルシス デオ
(アーメン)
<フランス語歌詞の直訳>
天使たちの歌う 天の賛歌は
あら野に響き 山々にこだまして
その妙なる調べを くり返す
グローリア イン エクセルシス デオ
(いと高きところで 神に栄光があるように)

※ 私が知っているのは上記の歌詞だったのですが、賛美歌にのっているのは下記の歌詞でした。

 あら野のはてに

荒野(あらの)の果てに
夕日は落ちて
たえなる調べ
天(あめ)より響く

※ グロリア イン エクセルシス デオ
   グロリア イン エクセルシス デオ

羊を守る
野辺(のべ)の牧人(まきびと)
天(あめ)なる歌を
喜び聞きぬ

※ くりかえし

御歌(みうた)を聞きて
羊飼いらは
馬槽(まぶね)に伏(く)せる
御子(みこ)を拝みぬ

※ くりかえし

今日しも御子は
生まれ給いぬ
世界の民よ
よろこび歌え

※ くりかえし
<英語歌詞の直訳>

天より聞こえし 天使たちの歌声
あら野を渡り 優しく響けば
それに答えし 山々の
喜びの声がこだまする

※ 天にまします 神に栄光あれ
   天にまします 神に栄光あれ

羊飼いよ なぜ歓喜するのか 
なぜ喜びの歌は続いているのか
神を賛美する天の歌が示唆する
うれしい便りはなんなのか

※ くりかえし

来たれ ベツレヘムへ そして見よ
天使の歌は 生まれし御子のおん為に
来たれ 称えよ ひざまずき
主キリストを 新たに生まれし我らが王を

※ くりかえし

天使の聖歌隊がほめたたえし
かいば桶に眠るみどりごを見よ
マリア様 ヨセフ様、力を貸したまえ
我らが愛の中に心を掲げるかぎり

※ くりかえし

↑ 日本語歌詞の最後、「世界の民よ、よろこび歌え」 は 「よろずの民よ、いさみて歌え」 となっているものもあります。

(フランス語)
Les anges dans nos campagnes

Les anges dans nos campagnes
Ont entonné l'hymne des cieux,
Et l'écho de nos montagnes
Redit ce chant mélodieux :

Gloria in excelsis Deo
Gloria in excelsis Deo

Bergers, pour qui cette fête ?
Quel est l'objet de tous ces chants ?
Quel vainqueur, quelle conquête
Mérite ces cris triomphants :

Gloria...

Ils annoncent la naissance
Du libérateur d'Israël
Et pleins de reconnaissance
Chantent en ce jour solennel :

Gloria ...

Cherchons tous l'heureux village
Qui l'a vu naître sous ses toits
Offrons-lui le tendre hommage
Et de nos c�・urs et de nos voix :

Gloria ...

Bergers, quittez vos retraites,
Unissez-vous à leurs concerts,
Et que vos tendres musettes
Fassent retenir les airs :

Gloria ...
(英語)
Angels we have heard on high

Angels we have heard on high
Sweetly singing over the plains;
And the mountains in reply
Echoing their joyous strains.

※ Gloria, in excelsis Deo;
   Gloria, in excelsis Deo!

Shepherds, why this jubilee?
Why your joyous strains prolong?
What the gladsome tidings be
Which inspire your heavenly song?

※ Refrain

Come to Bethlehem and see
Him whose birth the angels sing;
Come, adore on bended knee,
Christ the Lord, the newborn King.

※ Refrain

See Him in a manger laid,
Whom the choirs of angels praise;
Mary, Joseph, lend your aid,
While our hearts in love we raise.

※ Refrain

※ Refrain





後半の歌詞「グロリア インエクセルシスデオ」<いと高き天において神の栄光あれ> はカトリック教会の
『ミサ通常文』 の 「栄光頌(グローリア)」 に用いられているラテン語の聖句の一節で、
グローリア(栄光あれ)というフレーズがメリスマ(ひとつの母音でたくさんの音を歌い続ける歌唱法)を用い、
華麗な装飾音形で壮大に歌われます。
歌詞は、ルカの福音書第2章8〜20節をもとにしています。
イエス降誕を告げ、神を讃える御使いたちをいぶかしんだ羊飼いたちですが、馬小屋にいってみると、
目の前の光景はまさしくその通り。なんと素晴らしいことでしょう! と、一同感嘆、感動の合唱です。

ルカの福音書 第2章 (抜粋)

皇帝アウグストが住民登録をせよという勅令を出したので、人々はみな登録のために、それぞれ自分の町に向かっていった。
大工ヨセフはダビデの家系であり、血筋でもあったので、ガリラヤの町ガザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町に向かった。
身重になっている妻マリヤも登録するため一緒にいったが、ベツレヘムにいる間に月が満ちて、男子の初子を産んだ。
それで馬小屋で、布にくるんで飼葉おけに寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったので。
さて、この土地に、羊飼いたちが野宿で夜番をしながら、羊の群れを見守っていた。
すると主の使い(御使い)が彼らのところに来て、主の栄光がまわりを照らしたので、彼らはひどく恐れた。
御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。
今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ、主、キリストです。
あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられる嬰児(みどりご)を見つけます。これがあなたがたのためのしるしです」
するとたちまち、その御使いと一緒に多くの天の軍勢が現れて、神を賛美して言った。
いと高き所に、栄光が、神にあるように(ラテン語で、グロリヤ・イン・エクセルシス・デオ)
地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように」
御使いたちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは互いに話し合った。
「さあ、ベツレヘムに行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見てこよう」
そして急いで行って、マリヤとヨセフと、飼葉おけに寝ておられる嬰児とを探し当てた。
それを見たとき、羊飼いたちは、この幼子について告げられたことを知らせ、聞いた人たちはみな、羊飼いの話したことに驚いた。
羊飼いたちは、見聞きしたことが全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰っていった。

雑知識
ベツレヘムは、ヘブライ語で、「パンの家」 という意味です。
アーメンとは、「そうでありますように」 あるいは、「確かに、そのとおり」 という意味のヘブライ語 “Amen” で、もともとは
心から厳粛に受け入れて同意すること、または、自分の語ることが真実であることを示すために述べる言葉でした。
旧約の時代には、誓いを立てるときに 「アーメン」 と唱えるように求められたといいます。
今日のキリスト教では、一般に祈りや賛美歌の終わりに置く言葉として使われています。


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