西遊記あらすじ  第1回〜第10回

ものすごく省略しています。興味があったら、ぜひ本を読んでみてください。


第1回 〜孫悟空誕生。
世界の創造の秘密を知りたいのなら、「西遊記」を読みたまえ。
混沌から遙かな時が経ち、世界は4つの部洲に分かれました。
東勝神(とうしょうしん)洲、西牛貨(さいごけ)洲、南贍部(なんせんぶ)洲、北倶蘆(ほっくる)洲です。
その東勝神洲の海の東に位置する傲来(ごうらい)国の国境に、花果山という名山がそびえていました。
花果山のてっぺんには仙石がでんとのっかっていましたが、それが卵をうみ、卵が風を受けて、金色の目の石ザルになりました。
サルの群のなかで遊んでいた石ザルはある日、滝に隠された屋敷、水簾洞を見つけ、サルたちの王になり、美猴(びこう)王と名乗ります。
気ままな生活が続き、三百年あまり、やがて訪れるであろう死を悲しむ美猴王は、家来のサルが、仏と仙人と聖人は輪廻をまぬがれ、 天地と齢を同じくすると言うのを聞き、不老長寿を得るべく、喜んで山を出ていきました。
いかだに乗りこみ、海を越え、南贍部洲に到着。
仙人を探して十数年、人間の作法や言葉も覚え、またいかだを作り、 海を越え、西牛貨洲との境にやってきました。
そしてついに霊台方寸山の洞窟に住む神仙、須菩提(しゅぼだい)祖師に出会い、弟子になります。
須菩提祖師は彼に「孫」の姓と「悟空(空を悟る)」という法名を与え、こうして「孫悟空」が誕生しました。


第2回 〜悟空、術を会得し、故郷にかえる。
弟子になって七年。 悟空は師匠の言葉に隠された謎を解き、不老長寿の術を伝授されました。
それから三年後、天と寿(よわい)を斉(ひと)しくするには、 3つの災いを避けなければならないと祖師に言われ、 72の変化の術も身につけます。
雲乗り(�欖斗雲)の術も会得した夏のある日、 他の弟子たちに変化の術を見せてほしいといわれ、松の木に化けます。
それが原因で、祖師は自分の弟子だったことは誰にも言わぬよういった上で、 悟空を出て行かせました。
�欖斗雲に飛び乗った悟空は、20年ぶりに故郷に戻ることにしました。
行きと違い、瞬く間にたどりついた水簾洞府は混世魔王という妖魔に襲われ、荒れていました。
妖魔が棲む水臓洞を探し当てた悟空は、身外身(しんがいしん)の法を使い、自分のにこ毛を子ザルに変化させ、魔王を倒したのでした。


第3回 〜龍王と冥王から訴えられた悟空、天界に迎えられる。
混世魔王から大刀を奪ってからというもの、武術の鍛錬に精を出した悟空。
傲来国の宮殿の武器庫からかっぱらった大量の武器をサルたちに与え、訓練します。
やがて自分の武器がほしくなった悟空は家来の言葉を聞き、東海龍王から武器をねだろうと龍宮(水晶宮)に行くことにしました。
東海龍王の敖広(ごうこう)は、いろいろな武器を見せますが、刀(鉄)は苦手、軽すぎるなどと、どれも合いません。
しかし宝物庫にある、天の川の底を突き固めたという神珍鉄を手にとったところ、手になじむ大きさに変わり、すっかり気に入りました。
神珍鉄は悟空の苦手な鉄の棒でしたが、両端に金の箍がはまって、鉄の力を弱めており、如意金箍棒と彫ってあります。
こうして武器を手に入れた悟空は、さらによろいかぶと一式もねだります。
さっさと追い出したい龍王は、 弟の南海龍王の敖欽(ごうきん)、北海龍王の敖順(ごうじゅん)、西海に龍王の敖潤(ごうじゅん)を呼び出し、一式用意します。
上機嫌で宮殿をあとにする悟空に、腹の虫がおさまらない龍王たちは天帝に訴えることにしたのでした。

一方、自分の武器を手に入れた悟空は毎日のように雲に乗っては豪傑たちを訪問し、牛魔王ら6人の王たちと兄弟のちぎりを交わします。
ある日、6人の王を招き、宴会をひらいたあと、松の木陰で眠りこんだ悟空は夢を見ました。
寿命が尽きたと幽冥界につれてこられた悟空は怒り、閻羅(閻魔)王ら十人の十代冥王のもとにおしかけ、自ら生死簿を点検します。
すると猴族の帳簿に自分の名がのっており、342年の寿命と記載されていたので、墨で自分の名前はおろか、 仲間のサルの名前まで消し、幽冥界から飛び出して行くと目が覚めたのでした。

天の帝である玉帝のもとに東海龍王より上奏文が届き、続いて冥界からも上奏文が届きました。
二通の上奏文を読み、悟空を捕らえることにした玉帝ですが、配下にしては、という太白金星の意見を受け入れます。
水簾洞につかわされた太白金星を迎え、悟空はにっこり。天界にのぼることにしたのでした。


第4回 〜弼馬温を放り出し、地上に戻った悟空、斉天大聖を名乗る。
玉帝の御前にやってきた地上の妖仙、孫悟空。
御馬監の執事のポストがひとつあいていたので、 弼馬温(ひつばおん)なる役職がつくられ、そこにおさまりました。
悟空は天馬たちの世話を熱心にやき、半月経過。仲間たちが歓迎会を開いてくれました。
たのしく飲んでいた悟空ですが、弼馬温という役職が下っ端の馬番だと知り、大激怒。
花果山に戻っていくと地上では数十年が経過していました。天上の1日は地上での1年なのです。
そこへ悟空がかえってきたと知った独角鬼王が家来にしてほしいとやってきて、悟空の話を聞くと、斉天(天に斉(ひと)しい)大聖になられてはと言います。
うれしくなった悟空、さっそくでかでかと《斉天大聖》と書かれた旗をつくらせ、洞門の外に掲げたのでした。

一方、天界では悟空を捕らえるために、托塔李天王(たくとうりてんおう・毘沙門天)とその第三子、�犠[口+�芦](なた)三太子が花果山に向かいました。
ナタ三太子は悟空と戦ったものの、腕を負傷し敗走。玉帝にお願いして、悟空を斉天大聖に封じてはと、天王と共に天界に戻っていきました。
報告を聞いた玉帝は、ふたたび太白金星の意見を入れ、悟空を 《斉天大聖》 という職も禄もない、名目だけ与えることを決めます。
迎えにきた太白金星にこのことを聞いた悟空は、おおよろこびで天界に戻ったのでした。


第5回 〜悟空、天界をさわがす。
《斉天大聖》 の名だけで何も仕事がない悟空に、 暇をもてあまし面倒を起こさぬようにと蟠桃園をとりしきる仕事が与えられました。
ところがこっそり桃を食べてしまいます。
桃を摘みに来た仙女たちから、西王母が宴会を開くことを聞くと、悟空は彼女たちに金縛りをかけ、自分が招待されているか確かめに行きました。
招待客に化けて中に入った悟空は、宴会の準備をしていた者たちを眠らせ、料理を食い、しこたま飲んだくれます。
目が覚めて、さすがにまずいと思い、帰ろうとしたのですが、酔って道を間違え、太上老人の住まいへ。
そこで老君の金丹を見つけ、ぽりぽりと全部食べてしまいます。
酔いがさめ、自分のしでかしたことを考えた悟空、 これはやばい! と、下界に逃げ帰ってしまいました。

しばらく後、天界では悟空のしでかしたことがばれ、玉帝はカンカン。
天兵を総動員し、なにがなんでも悟空をとらえ、処罰すべし、と命じました。
十万の天兵が花果山を包囲し、激しい戦いが繰り広げられます。
日が暮れ、いったん戦いをやめた両陣営。明日の大決戦を待つばかりとなりました。


第6回 〜顕聖二郎真君との戦いのすえ、悟空、とらえられる。
西王母の招きを受けた、 南海の普陀落伽山(ふだらかせん)にまします観世音菩薩が玉帝からことの次第を聞いています。
観音は一番弟子の木叉(もくさ・托塔李天王の二太子)に戦いの様子を見にいかせました。
父、李天王と話している最中、夜が明け、悟空が攻めてきたことを知った木叉は、大聖の実力を知ろうと飛び出していきましたが、 打ち合ううち、腕がしびれ敗走。
援軍をお願いする上奏文を持ち、天界に戻ってきました。
玉帝とともにいた観音は、援軍の要請に、玉帝の甥である顕聖二郎真君(けんせいじろうしんくん)を推薦します。
玉帝の使者を迎え、花果山におもむいた真君は、ひるがえる旗を見て 「なんと、斉天大聖とはなあ」 と言いつつ、悟空とわたりあいます。
武器では決着がつかず、変化の術でやりあう二人。その最中、仲間のサルが真君の仲間にやられているのを目にして悟空は逃げ出しました。
悟空が雀に化けて隠れれば、真君は鷹に化け、魚に化ければ、みさごに変じるなど、化かし合いが続きます。
しかし悟空を見失ってしまった真君、照妖鏡を照らす李天王のもとに行くと、悟空は囲みを抜け出し、真君に化け、二郎廟に行ったとのこと。
真君は追いかけ、また二人は武器でやりあいつつ、花果山へもどってきました。

一方、天界では、玉帝、老君、観音、西王母らが戦いの様子を見に南天門へ向かいました。
見ると、真君と悟空がやりあっています。老君は左腕からひとつの輪(金剛琢・こんこうたく)を外すと、ほうり投げました。
それは狙いどおり、脳天に当たり、悟空はぶったおれてしまいました。
なんとか這い起きて駆け出したところへ、真君の子犬がふくらはぎに噛みつき、また転んでしまいます。
ついに御用となった悟空、天上へ護送され、斬妖台にて、こま切れの刑に処されることになりました。


第7回 〜悟空、如来によって五行山に封じられる。
天兵たちによって、斬妖台に護送され、降妖柱にしばりつけられた悟空ですが、太上老君の仙丹を食べたおかげで、 斬りつけられても、雷でも火でも、身体に傷ひとつつきません。
それではと太上老君の八卦炉のなかにぶちこまれることになりました。
八卦炉は、その名のとおり、八卦に分かれているので、中に入れられた悟空はすぐさま東南の巽宮の下にもぐりこみました。
巽は風の卦なので、火はなくなりますが、かわりに煙でいぶされます。
そのせいで彼の金色の目は赤くなり、以後、 火眼金睛(かがんきんせい・あかめ)になってしまいました。
49日後、炉が開けられたすきに悟空は外へ飛び出し、如意棒を振り回し、さんざん暴れます。
その騒ぎに驚いた玉帝は、とうとう如来(南無阿弥陀仏)に退治をお願いすることにし、西方にある霊鷲山の雷音寺に使者をつかわしました。
話を聞いた如来はすぐさま天界へ行き、自分の術に自信を持つ悟空に、わたしの右の手のひらから出られたら、天宮を譲ろうと言います。
悟空は、さっそく�欖斗雲にのり、ずんずん進みます。やがて柱が5本、蒼天を支えているのが目に入りました。
ここが行き止まりだと思い、ここまで来た証拠にまんなかの柱に一筆書き、1本目の柱の根元におしっこをひっかけて、もとの場所へと戻ってきます。
天の尽きるところまで行ってきたという悟空に、如来は自分の右の手を見せると、その中指には悟空が書いた文字、
そして親指のつけ根には、サルのおしっこのにおいが残っています。
驚き、もう一度行ってくると飛び出そうとしましたが 、如来は手を返し、5本の指を金、木、水、火、土の五連山に変え、「五行山」と名づけたうえで、悟空を押さえつけました。
悟空を封じたお礼の宴会が催されているなか、山に押さえつけられている悟空があたまを伸ばしていると報告が入りました。
すると如来は袖のなかから、「�却(オーン)、嘛(マー)、�希(ニ)、叭(パド)、[口+迷](メー)、吽(フーン)」 (おお、 蓮華の上の宝珠よ! という意味の真言)と書かれた一枚のお札を取り出し、山のてっぺんに貼るよう命じます。
五行山のてっぺんの四角い石の上にお札を貼り付けると、山に根が生え、すきまが縮まり、悟空はわずかに身動きすることしかできなくなりました。
玉帝たちに別れを告げたあと、如来は慈悲心をもよおし、土地神を呼んで、悟空が餓えたときには鉄の団子を食わせ、 のどがかわいたときは溶かした銅のスープを飲ませるようにと命じました。
こうして罪業が消える日に誰かが現れ、 救ってくれるまで、悟空は囚われの身になったのでした。


第8回 〜観音、取経者を探しに東へ赴く。
500年後、如来が盂蘭盆会(うらぼんえ)を行ったさい、南贍部洲が乱れていることにふれ、 手元にある三蔵の真経により善をなすべく勧めることができるのにと言います。
三蔵とは、天を談(かた)る「法」が一蔵、地を説(かた)る「論」が一蔵、 鬼を済度する「経」が一蔵。
これを東土へ送りたいという如来にこたえ、真経を取りにこさせる善き信者を探しに行きたいと観音菩薩が申し出ました。
如来は喜び、5つの宝を持たせました。取経の者に渡す金襴の袈裟と九環の錫杖、取経者の弟子となった妖魔を仏門にはいらしめるための、 《金・緊・禁》の三種の呪文がある緊箍児(きんこじ)という3つの箍です。
宝を受け取った観音は恵岸行者(木叉)と一緒に東方へ向かいました。
流沙河(るさが)にやってきた観音を波の中から一匹の醜い妖魔がつかまえようと襲いかかってきました。
渾鉄棒を持ち上げた恵岸行者とやりあいましたが、勝負はつきません。
やがて岸辺にいるのが観音だと知った妖魔は伏し拝み、自分の身の上を語ります。
妖魔はもとは玉帝の車に従っていた捲簾(けんれん)大将でしたが、蟠桃会で手をすべらせ玻璃の杯を壊してしまったため、下界に落とされてしまいました。
餓えのため、ここを通る取経者を食べていましたが、9人の取経者(玄奘の前世)のされこうべだけは水に浮かんだので、それを紐に通しているとのこと。
観音は仏門に帰依することを勧め、その9つのされこうべを首にかけ、取経者を待つように告げ、沙悟浄という法号を与えました。
こうして仏門に入った悟浄は、二度と殺生をせず、取経者が来るのをひたすら待つことになったのでした。

観音たちはやがて福陵山という高い山にやってきました。すると、またもや妖魔が一匹現れました。
このブタのような妖魔も恵岸とやりあいましたが、観音がいるのを知ると、伏して身の上を語ります。
もとは天の川の天蓬元帥でしたが、酒に酔って嫦娥(じょうが)にいたずらしたため下界に落とされてしまいました。
ところが、何をどう間違ったのか牝ブタの胎内に投胎してしまい、こんな姿になってしまったとのこと。
観音は罪をつぐなうために取経者の弟子になることを勧め、猪悟能という法号で呼ぶことにしました。
こうして彼も取経者が来ることを待つことになったのです。

さらに東へ向かうと、空中で一匹の龍が泣きわめいているのが目に入りました。
聞けば、龍は西海龍王敖潤の息子ですが、火事をおこし宮殿の明珠を燃やしてしまったので、ここに吊るされ、死刑になるとのこと。
これを聞いた観音は玉帝のもとへ行き、取経者の乗りものとしたいので彼を下賜してほしいと願います。
玉帝は願いを聞き、こうして命を救われた龍太子は観音の言いつけに従い、谷川にて取経者がくるのを待つことになったのでした。

またも東を目指す観音は五行山にやってきました。
石箱のなかに閉じ込められている悟空も、 観音の言うとおり仏門に帰依することを決め、取経者が来るのを待つことになりました。

ひたすら東へ向かう観音は、大唐国の長安に到着しました。
二人は疥癬病みの遊行僧に姿を変え、取経者を探すことにしました。


第9回 〜易者と�杷河龍王。
大唐を治める太宗皇帝が住まう長安の都。
その外れにある�杷河(けいが)のほとりを歩きながら、樵夫と漁師がたがいの商売自慢をしています。
ふたりが別れ際に話していた百発百中の易者の話を水中巡回をしていた夜叉が聞き、水晶宮の龍王に注進しました。
�杷河龍王は書生に化け、易者を訪れると、いつ雨が降るのか、また量はどれくらいかを尋ねました。
それが合っていれば五十両出すが、もし違っていたら、店を壊し、易者を長安から追い出すことを告げ、龍王は戻っていきました。
ところが、玉帝の勅旨で雨を降らすよう命じられた時刻や量が易者がいうのとぴったり同じ。
一時は負けを認めた龍王でしたが、家来の計略にのり、時刻を一刻ずらし、量も少なめにしました。
占いが外れたと易者のもとにおしかける龍王に、逆に天のおきてにそむいたせいで、明日の正午に死刑になると易者は一喝します。
救いを求める龍王に、易者は、太宗皇帝の丞相である魏徴が処刑することになっているから、皇帝に情けにすがれといい、龍王は皇宮に行きました。
夢のなかで龍を助けることを約束した皇帝は、翌日、魏徴を出仕させ、正午の少し前に彼と碁を一局、囲むことにしました。


第10回 〜唐の皇帝、太宗、地府より魂が還る。
正午になると、突然、対局中の魏徴は寝てしまいました。
しばらく後、龍の生首が空から降ってきたと知らせがあり、聞けば、魏徴が夢のなかで龍を処刑したとのこと。
その夜、命を返せと龍王が現れ、一緒に閻魔のところへ行って対決しようとわめきます。
皇帝は病にかかり、死は間近。そのとき魏徴が一通の書状を持ち、これを冥土で判官をしている者に渡すようにと言います。
皇帝はその手紙を袖に入れ、亡くなりました。
冥界へ行った皇帝は、魏徴に言われたとおり、迎えに来た判官に書状を渡します。
助けてくれると約束したのに殺されたという龍王の訴えのために裁判をすべく、皇帝は冥界によばれたのですが、 生死帳を判官が調べると寿命がちょうど尽きています。
あわてて判官は一の上に二画つけたし、三にしました。
それを見て、まだ寿命が尽きていないと冥界の十王は皇帝を生き返らせることにしたのでした。


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